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加藤のコラム

加藤のコラム第191号

「微」という漢字の魔力

 

まったくもって個人的な感覚なので、共感を得られるとは思っていないのですけれど、ボクは昔から「微」という漢字には何か不識議な魅力というか魔力というのがあると思っております。「微」にはわずかとか超小というイメージがありましが、それ以外にも「微」がつくとなぜかほんわかしたり、ちょっと意味深な雰囲気を感じさせたり、いったいどっちなのという状況不明状態を作り出したり、超精密感を醸し出したりと、いろいろな顔を見せる漢字だなと思っていたのです。

 

ほんわかの「微」

○微風(びふう・そよかぜ)…さわやかな感じで外に出たくなりますでしょ?

○微笑(ほほえみ)…この読み方だとあったかい感じがします。

○微酔(ほろよい)…ちょうどいい酔い方でございます。ボクは泥酔しかできない。

 

ちょっと意味深な「微」

○機微(きび)…感情の細かなひだみたいなものは読み違えるのよね。

○微笑(びしょう)…こっちの読み方だと裏切りもありそうな気配が漂います。

○微妙(びみょう)…「それ微妙ですね」と言われたら判断に悩むわ。

 

いったいどっちなの状態の「微」

○微罪(びざい)…微罪も大罪も罪は罪だからねえ。罪が軽くなるわけじゃない。

○微熱(びねつ)…熱があるのかないのか、はっきりしてちょうだい。

○微力(びりょく)…そうは言っても力は出してくれるんですよね?

 

超精密感の「微」

○細微(さいび)…いかにも細かそうです。

○精微(せいび)…いかにも精密そうです。

○顕微鏡(けんびきょう)…細かい物を見る道具の代表例。

 

どうですか? 「微」にはいろいろな顔がありますでしょ?

 

加藤的「微」を使った造語を4つ書き出してみます。こんな言葉は今現在はございませんが、100年後に残る言葉にしたい。

 

ほんわかの「微」

☆微髪(びはつ)…髪は少ないけれど、それをマイナスにとらえない前向きな表現。

 

ちょっと意味深な「微」

☆微考(びこう)…一応ちょっと考えときますという、意味ありげに見せかける表現。

 

いったいどっちなの状態の「微」

☆微食(びしょく)…食うのか食わないのかはっきりしろよとツッコまれる表現。

 

超精密感の「微」

☆検微(けんび)…細部まで点検する意味で使いたい表現。

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔