加藤のコラム第186号
コンクラーベってすごいシステム
ローマ教皇さまがお亡くなりになり、次の教皇さまを決める選挙をコンクラーベと言うらしいですね。お一人の方が三分の二の票を得るまで繰り返し行われるそうですが、想像するだけでなんかすごいね。
密室で行われるんでしょ。立候補した人を投票するのではなく、権利のある人がすべて候補者になるんでしょ。一回の投票ではなかなか決まらないでしょうから、決まらなかったという結果が出るたびに、それぞれ心の中でいろいろ考えるよねえ。
コンクラーベの実際を見たこともないし、今後見る機会も絶対にないのですが、「やっぱりあの人がいいな」というふうに、参加者の意思がだんだん収れんされていくわけですよね。この過程がすごくないですか。多数派工作なるものが何もされていないとしたら、この決定方式はすごいわ。もし、何らかの情報戦が水面下で展開されるとしても、それはそれで究極の読み合いですから、脳みそはへとへとになるでしょう。
下手すりゃ毎回投票結果が変わり、いつまでも決まらないという事態に陥る可能性もゼロではない。まさに根比べだ。この日本語の根比べとのマッチ感もすごいわ。
とにかくコンクラーベってすごい。今どきの言葉で言うと「エグい」になるのかな。学級委員とか会社の社長、はたまた総理大臣なんかも、このコンクラーベシステムで決めたらどうなるんだろう?しかもオープンで。
話は教皇選挙に戻りますが、ロバート・フランシス・プレボスト枢機卿という方が新教皇に選ばれて、レオ14世と名乗られるそうですが、教皇さまって芸名でもいいのね? これまた斬新と言えば斬新。ルパン4世と名乗られる教皇さまが出てくる可能性もないわけじゃないということでしょ。
世界最小の国は、世界で最もエグい国なのかもしれません。この独自性は、けっして大企業ではない組織がしぶとく長く生き残るためのヒントを示しているような気もします。
自閉症者地域生活支援センターなないろ 加藤 潔