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加藤のコラム

加藤のコラム第127号

エンタメ業界はなぜ高収入を得られるのか

 

ボクは経済というものの仕組みをよくわかっていない人間です。芸能人の方の中には、すんごい収入を得ている人もそれなりにいらっしゃるのだろうなということは容易に想像できますが、どうしてそこにたくさんのお金が集まっていくのだろうということに関して、経済的な視点から説明することはボクの頭脳ではできないのであります。

 

ボクはひがみ根性丸出し男なので、ついついこんなことを思ってしまいます。

「福祉はAIが代われない仕事で、おそらく人類が地球上に存在する限りなくなることはない仕事なのに、収入ランキングは高くないよなあ。芸能界もバーチャルアイドルはいるだろうけど生身の人間が芸を磨き、人類が存在する限りエンターテーメントはあるし、その意味では福祉と同じ。しかし、なぜ芸能界などのエンタメ業界と福祉には収入格差があるのだ?」

 

プロスポーツ業界も、生身の人間が肉体を酷使し、人類がいる限りなくなることはないであろう仕事です。これまた福祉と構図は同じですが、プロスポーツ業界もエンタメ業界同様に高収入。そこが福祉と違うんだな。もちろん、エンタメ業界だってプロスポーツ業界だって、高収入を得られるのは一部の方々で、収入がほとんどないという方もたくさんいらっしゃるのだろうと思うのですけれど、高収入の方がいることで業界全体の収入レベルを引き上げてくれていますし、高収入をめざす人たちがその業界に参入し続けるので人不足になるということがない。なんともうらやましい。

 

実は、こんなことを言っている人がいます。

「人はいやなことを忘れさせてくれることにたくさんのお金を払う」

この言葉、真理を突いているかもしれません。エンタメを味わったりひいきのプロスポーツチームを応援したりするのはいやなことを忘れて盛り上がりたいからですよね。だからこそ、人はそこに憧れの感情を抱き、その時間にお金を払い、それを演者や選手たちが収入として得るわけです。福祉がめざすべきところはそこにあるのではないかという気がします。もちろん、福祉業界は利用者さまのQOLの向上や社会参加をめざした支援を展開することを標榜していますので、その意味ではエンタメ業界やプロスポーツ業界と同じなのですけれど、「いやなことを忘れさせる」気概という点でエンタメ業界やプロスポーツ業界に及んでいないのかあ。

 

そう考えると、ただ単に給料上げてよ~と言い続けるのではなく、世の人たちに「福祉は利用者さんに夢を与えてくれる」と思わせたら、きっとそこにお金が集まってきて、自ずと給料が上がっていくのではないかと思います。だって、構図はエンタメ業界やプロスポーツ業界と同じなのですから。あとは、自分たちが夢を与えられるような仕事ができるかどうかにかかっています。福祉は永遠になくならない仕事だと思うので、あとは自分たちがどれだけ世間にアピールできるかですよ。

 

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔