» 加藤的「福祉に人材を呼び込もう」作戦自閉症者地域生活支援センター なないろ

加藤のコラム

加藤のコラム第52号

加藤的「福祉に人材を呼び込もう」作戦

 

現在のペースで少子高齢化が進んだ場合、40年後の労働人口が4割減少するという予測があるそうです。そのときボクが万が一生きていたとしても、とうてい労働人口に貢献できる年齢ではございません。

労働人口の減少が日本だけの問題なら外国の方の活躍の場をどんどん増やすことになるのでしょうし、ロボットが人間の代わりをできそうな業種であればロボット導入を進めていくことになるのでしょうかね。

 

対人援助職の中には、やはり人でなければ難しいということも多いと思います。そうなると、少ない労働人口の中から一定の数を確保しないとならなくなります。労働人口が少ないということは、どこも働き手がほしい状況ということでもありますから、労働人口世代からの人気が高いとは言い難い福祉業界にまで人が回ってくるのか?という心配が大きいです(「何言っているんだ、福祉は人気沸騰の業種だ」と思われている方がいたらごめんなさい)。

 

となれば、福祉業界に人が集まる策を考えないとなりません。そこで、加藤的「福祉に人材を呼び込もう」作戦をご提案します。

 

  • 福祉の仕事のイメージアップは、福祉の職場を舞台にしたドラマで

障がいのある方にスポットを当てたドラマは今までもありました。自閉症の方が主人公のドラマも多くあります。ボクが考えているのは、福祉の現場で仕事をしている人たちが主人公のドラマです。たとえば、木村拓哉さんが施設長になって困難に立ち向かうようなドラマ。ヒロインは長澤まさみさんでどうでしょうか。日曜劇場とか月9あたりでドラマ化してくれませんかね(ネット配信のドラマでももちろんOK。人気のドラマになればいいわけですから)。バラバラだった職場が徐々に団結し、利用者さんの幸せのために困難を乗り越えていく、そんな内容で。ろくに働かず文句ばっかり言っている年配の支援員役でボク出ます。

ドラマ化される職業って、警察官とか医者とかが多いですけど、【ドラマの影響でその仕事に対する印象がよくなる⇒その仕事に就こうとする人が増える⇒もっとドラマが増える⇒求職者がいつもいる】という好循環が生まれるのではないかと思っています。

  • ジャパニーズドリームがある仕組みを作りたい

支援者の頑張りに対して、利用者さんやご家族からの評価が反映される仕組みが作れないですかねえ。例えば、利用者さんやご家族が評価したい支援者に1票を投じられるシステム。マイナンバーカードの番号で投票するようにすれば、手当たり次第に投票することは避けられますし、たとえば累積で達成基準となる票が集まったときにその支援者には報酬が支払われるとしたら、腕一本で稼げる業種になります。

そうするとですね、【別の仕事をしていて何らかの理由でドロップアウトしてしまった人も、福祉で人生をやり直そうとする気持ちになる⇒スター支援者としてお金も稼げる⇒まさにジャパニーズドリーム】となるわけですよ。

当然、スター支援者の引き抜きや奪い合いが業界内で行われますが、そのスターは業界内だけで動きますから、人材は他業界に流出しません。利用者さんやご家族の1票がスター支援者を生むという仕組み(その1票の権利を毎年1回ずつ使えるようにすればいい)は実に魅力的です。もちろん、広くいろいろな方と接する職種と固定された利用者さんと接する職種があるので、不公平感を減ずるためにはその1票にどれだけの数字を掛けるかという職種ごとの換算基準みたいなものは必要でしょう。

 

絵空事だと言われればそれまでですけれど、福祉という業界の構造を変えれば、そこに人は集まってくると思うのです。だって、底辺職と言われることもある福祉は、底辺を支える業種なわけで、底辺がなくなったらたいへんです。なくすわけにはいきません。

自閉症者地域生活支援センターなないろ  加藤 潔